株式会社友和商会

物流を外注し出荷を100%自動化
休眠店舗も復活し売上211%向上

株式会社友和商会様

インテリア雑貨などを販売する株式会社友和商会の代表取締役である佐分利様は、EC黎明期から紆余曲折を経て約20年EC運営に携われています。
現在出荷を100%自動化し、社内のリソースを確保することで商品ページ作成や商品開発に注力。閉店していたYahoo!店舗を復活させ、2021年12月には楽天3店舗目をオープンし、BOSS導入前から売上は211%向上したそうです。
100%出荷自動化のメリットやその背景、店舗運営の戦略についてお話を伺いました。

EC店舗運営20年の変遷

Q.本日はどうぞよろしくお願いします! 御社のコーポレートサイトを拝見して、インターネット事業の開始が20年以上前だったことに驚きでした。当時いち早くインターネット事業を始められたきっかけは何かあったのでしょうか?

当時日本の景気ってすごく悪かったんです。
もともとうちは通信販売の卸売りをやっていた会社なんですけど、カタログ通販がインターネット事業を始める前の主力事業だったんです。ただ20年前の時点ですでにカタログで買い物する人が減っていました。

そこで二代目社長として何とかしなくちゃいけないと思い、カタログ通販も卸売りもやっている最中にインターネット事業を立ち上げました。1997年に楽天市場が始まり、三木谷社長の話を聞いて2000年8月1日に楽天市場に出店したのが最初です。

Q.EC出店を始められた当初、苦労したことなどはありましたか?

そもそもインターネットで買い物をされるお客さんがいなかったので、その中でどう売るのかが難しかったですね。
納品書や送り状なんかも手書きでしたし。サイト内のヘッダーフッターレフトナビなんかも、楽天市場に機能がなかったので色々人に聞きながら作っていました。
会社の中でもパソコンに向かってカチャカチャやっているだけと思われていたので、肩身も狭かったですね。

でも楽天市場では横のつながりが強かったんですよ。
仲のいい店舗さんと毎月のように勉強会をして、お互いに情報交換しながら切磋琢磨して売上を伸ばしていきました。
2000年代前半はやったらやっただけ伸びるような時代で、1年で2倍3倍と売上が伸びていきましたね。

Q.そんな時代があったんですね!その中でどのように店舗運営をされていかれたのでしょうか?

一番低い時期が4,5年前で500万くらいに落ちて、3年前に一旦9600万にあがりました。
ですがその後また500万に落ちてしまいました。
今はまた成長期に戻ってきまして、月商2000万ほどで来年には3000万くらいはいけるかなと思っています。
まだ少ないですが、今回が今までで一番力強く成長していっていると感じています。

Q.かなり紆余曲折を経験されているんですね。現在の成長の要因はどこにあると考えられていますか?

商品イメージ

一つは、現在オリジナル品の販売比率をほぼ100%にしていることです。
昔月商5000万の売上があった時は、アシックスやナイキのスポーツ用品が主流でitemが数万、SKUで数十万の大量出品をしていたんです。毎年商品の入れ替わりもあって忙しい割には利益が取りにくかったんですが、売上高はどんどん伸びていきました。
でもこのままスポーツ用品を売っていたら価格競争に巻き込まれて勝負にならないということに10年前に気づきまして、大量出品をすべてやめました。

そこから一生懸命オリジナル商品を増やしていき、今はitem数が90くらいしかないんです。
アクリルの商品や帽子などの当社オリジナル品を、1個ずつ丁寧に販売するという方法に切り替えて生き残りをはかっています。

もう一つの要因としては、出荷を100%自動化にしたことです。
その結果社内のリソースを確保できて、楽天市場は2店舗から3店舗に拡大し、3年ほど閉店していたYahoo!店舗も再開させることができました。
もともとFBAで楽天市場分も出荷していましたが、RSLで出荷をするようになって、ここ8か月ほどで売上が211%向上しています。

特にBOSSとRSL、item Robotと各モールの連携は非常にパワフルですね。
店舗をいくら増やしてもほぼ工数がかからないので、実際のところ10店舗くらい出してもいいかなと思っています。

“物流の外注は必須” 100%自動化にこだわったわけ

Q.現在出荷を完全に外注されていますが、100%自動出荷にしようと思った理由について教えてください。

今の時代、外のリソースを存分に活用することは特に中小企業にとって重要だと思っています。
バナー作成や写真の加工なども外注すればすぐにやって頂けますし、システム構築はプロの方に依頼するなど、社外にお任せした方がいいものがあるわけです。

自分としては物流に関しては外注が必須だと思っています。
その理由として一つは小さな規模では価格競争力が出せないということです。要は運賃が高いということですね。

もう一つは保管スペースを柔軟に拡大したり縮小したりすることができません。
急激に売上が増えたからといってすぐに事務所を広げることはできないですし、反対に繁忙期がすぎて売上が減ったからといってスペースを減らすわけにはいかないですよね。

さらに一番の理由としては、社内にリソースがないことです。
うちのインターネット事業は正社員が1人と、週2.5日のアルバイトが2人なので実質2人で4店舗を運営しています。

社内で写真撮影やページ作成、商品の開発、輸入の手配まで行っているので、もし出荷作業までやっていたらリソースが足りなくなってしまいます。
そう考えるとRSLやBOSSという仕組みを使わなければ、出荷の波動に耐えられないですし土日の出荷もできません。
だから外部のパートナーさんに出荷業務を依頼するというのが必然だと僕らは思っているんです。

中小企業の方って一度冷静に物流コストを人件費も含めて計算するべきなんですよね。
よっぽど安い運賃を持っていたら別なんですけど、出荷業務を外注することで得られる時間とコストを足し引きしたら、外注のほうが良いという結論になると思うんです。

そこで得られた時間やエネルギーを別のところで使って、売上を上げられるようにした方がいいんじゃないかと思います。
その方がスタッフもハッピーですし、ひいてはお客さんにとってもすぐに商品が届き、欲しいものが適切な価格で買っていただけるので、持続できる企業になれると思います。僕RSLの営業員みたいになってますけども(笑)実際ほんとそう思いますね。

むしろ売上が上がっても素直に喜べない理由って物流を自分たちで持ってるからなんですよ。
出荷が間に合わなさそうだったら例えばデザイナーであっても、出荷作業にいかないといけません。
売れるページを作ったおかげで売れたのに、出荷に行かないといけないという喜びと悲しさが両方やってくるんですよ。

月曜日とかスーパーセールの後が嫌やってなるんです。
そこをプロにお願いすれば午後3時ギリギリまであす楽をミスなく出していただけます。
これは中小企業にとってどれだけありがたいことかと思います。

Q.出荷自動化と聞くと、“勝手に動いてしまうのが怖い”という心理的な障壁がある店舗様も多くいらっしゃいます。出荷を完全に自動化することに抵抗はなかったのでしょうか?

これは僕らがここ数年AmazonのFBAを利用していて自動出荷に慣れていたというのがあると思います。
楽天でも同じことをすればよいと思いました。

自動出荷に対する恐怖って、言ってしまえば店舗側の準備不足なんですよ。
しっかりした体制を整えて、在庫をきちんと倉庫に預けておきさえすれば自動連携をすることに何の障壁もないはずなんです。
たとえば一部の受注発注している商品や、同梱する必要がある商品などの例外をしっかり対処しておきさえすれば、自動化の障壁は何もないと思います。
むしろ自動化しているほうが人為的なチェックが必要ないのでミスが起きません。

ただ裏を返すと自動化をするには、在庫はすべてきれいに揃えて置いておく必要があります。
また自動化をすると出来ないこともあります。

例えば名入れサービスなんて当然できないですしメッセージカードを入れることもできません。
今の時点ではラッピングとかも受けないようにしています。そういう部分はうちの場合あえてやらないと決めています。
それ以上に自動化100%にすることが少人数で運営するには何よりも大事だと思っているからです。

僕としては99%でも駄目だと思っています。完全に外注しない限りは労力が残ってしまいますから。
売上が10倍になって自社出荷が5%だったら10件の出荷件数が100件になってしまいますよね。
スタッフが送り状を出して梱包発送までやっていたら、到底今の人員では無理です。

できたとしてもモデル撮影やページ制作、新商品の開発やリリースが遅れるでしょうし、その結果売上が落ちてしまいます。
今は自動化100%にすることによって売上が何倍に膨らもうとも人的なリソースを割く必要が一切なくなりました。
これは本当に大きい変化だと思っています。

だから自動化に対して恐怖感もないですし、むしろ100%自動化を前提条件としてすべての店舗を設計しています。

Q.自動出荷を100%にするために、やらないことを決めることも重要なんですね。以前からFBAを利用していたとのことですが、楽天受注分をRSLへ切り替えた理由を教えていただけますか?

FBAから楽天注文を出荷することに特に問題はなかったんですけど、あす楽の商品がやりにくかったのと、弊社のシステムからAmazonさんへ同期する上でタイムラグもありました。様々検討した結果楽天さんは楽天さんの倉庫から、AmazonさんはAmazonさんの倉庫から出荷した方がいいのではという結論がでました。

当然倉庫が二つに分かれるのでコストが高くなるかというとそうではなく、RSLは保管料は高いんですけど運賃がすごく安いんですよね。
FBAからAmazon以外の出荷をすると出荷費用が200円くらい高くなるんです。1000件出荷したら楽天さんより20万円分高くなってしまいます。

そのため楽天さんの出荷件数を増やせば増やすほど、RSLの保管料も運賃も安くなって最終的にはコストが合うだろうと見込んでいました。その結果実は先月くらいにトントンになってきたんです。
今後出荷していく分に関しては保管料も相対的に安くなります。

出荷料は今時点ですでにAmazon注文分はFBAの出荷のほうが安い、楽天注文分はRSLのほうが安いのでどんどん下がっていきます。
これからは売れば売るほど以前より収益性は高まるというところまできました。
その一番大きな理由はBOSSとitem Robotです。

BOSSとitem Robotの導入で変わったこと

Q.RSLと同時にBOSS、さらにitem Robotもご利用いただいていますが、導入して何か変化はありましたか?

item Robotもご利用いただいています

BOSSとitem Robot 2つのシステムがあるおかげで多店舗展開がスムーズにでき、連携も簡単にできるので店舗作り放題になったことが大きいです。
閉店していたYahoo!ショッピングを10月から再スタートできたのもBOSSとitem Robotがあるからです。
⇒ ネットショップ商品一元管理システム「item Robot」
item RobotでYahoo!ショッピングのページを作り直してBOSSにマッピングを追加して在庫連動をしてRSLに店舗追加したら、それでYahoo!ショッピングが100%自動で動くようになります。
楽天3店舗目も同じ工程をすればよいので、あとは同じことを繰り返していくだけです。

item Robotは“えげつないくらい”すごい仕組みで、特に楽天市場に複数店舗同じ商品を出す店舗にしてみたらあれ以上良いシステムないですね。 うちの場合item Robotにスムーズにデータを落とせるようなデータベースを社内に持っているので、余計にそこがシームレスにつながるんです。

社内のシステムからBOSSへのマッピングデータを出力できる仕組みを作ったので、全部がスムーズに動きます。
通常店舗が1つ増えると、CSVダウンロードが増えるとか在庫の同期の手間が増えるんですけど、そのコストが限りなくゼロに近いです。
従業員の子たちの労力もほぼ変わっていません。変わることといえば、問い合わせ対応の件数が増えるだけですね。
問い合わせ対応の比率が増えることは売上が増えたことに対する比率なので、店舗を増やしたことによって増えているわけではありません。

たとえば1日50万円の売上に対して平均1件の問い合わせがあったとしたら、100万円の売上になったら問い合わせが2件になるというだけのことです。店舗を増やしたことによる労力の増加というのはほぼないですね。

安定的にロジが動いてくれて人が動かなくてもシステムがほぼ完ぺきに仕事をしてくれるというのは少人数で運営している店舗からしてみたらありえないことですね。365日出荷なんて、人がやろうとしても無理ですから。
うちは基本9時5時半きっちり終わるので、全従業員の残業時間が全員含めても月10時間いかないんです。
有休もとれるので、給料は置いといてホワイト企業なんですよ。それが実現できているのはBOSSさんのおかげなんです。

倉庫の外注で昔ヤマトロジを使っていたんですが、当時出荷報告が18時とか19時くらいに送られてきていたんです。
今日の出荷件数と送り状番号を受け取って、お客さんにメールを送るというのが通常WMSを使っている場合の運用の流れだと思うんですね。そうなると他の仕事が終わってもメールを送るためだけに残っていないといけないんです。

でもBOSSさんの場合は出荷したら勝手にメールが送られるので、その必要がありません。
出荷完了の連絡が楽天さんからくるのが夜の19時とか20時なんですけど、それが届くころには、もう家で晩御飯食べ終わってるんです。
自動化によって一番得られたメリットは、マンパワーを割かずとも売上高も出荷件数もいくらでも伸ばせる環境を手に入れられたということですね。 明日急に1000万売れても僕ら何にも困らないですから。

Q.そう言っていただけてとても嬉しいです。しかし実際に自動化を進める上で、BOSSの導入の時点で躓いてしまう店舗様もいらっしゃいます。御社では導入段階で問題はなかったのでしょうか?

おそらく皆さんBOSSを導入するにあたって一番困るのがマスタの整理だと思うんですよ。
よくできた仕組みだと思うんですけど、基本の商品番号を登録したうえでマッピングかけるじゃないですか。
BOSSの概念に合わせるために、まずしなくちゃいけないのがマスタの整理なんですよね。

そこでうまく整備ができなくて、不一致や重複の問題が起きると思うんです。
僕はどっちかというと開発よりの人間でマスタが大事だということを重々承知していたので、品番と商品URLとマスタの桁数を揃えて、数字しか使わないなど結構徹底して登録していたものですから導入も困らなかったというのはありますね。

僕らみたいな中小企業の店舗さんも多いと思うので、商品の番号って何ですか?とか整備ってどうやってやるの?みたいなところで結構悩まれる方も多いと思うんですけど、整備さえできてしまえば今の時点ではBOSSほどいい仕組みというのはないでしょうね。
特に楽天に関しては在庫連携のスピードや自動処理のレベルは高いと思います。
BOSSはサポートに関しても、ちょっとよそでは考えられないくらい高いレベルだと思っています。
電話にすぐに出ていただけて、出られた方がスムーズに解決まで至ってくれるので、すごくありがたいです。

今後の展望

Q.今後目指していることがあればぜひ教えて下さい!

代表取締役である佐分利様

次の目標は月商1億まで行きたいなと思っています。
やっぱりネットショップにとって1億って一つの夢ですから。
今のメンバーを大切にしつつやっていきたいですね。
これからの時代は外部との接点をたくさん持っていかないと厳しいだろうと思っています。その点に関して言うと、物流は専門家に任せて切り離すことが、中小企業のネットショップの反映や成長のために第一に優先だと思います。
うちの従業員は14人、中国の現地法人入れても17人なんですけど、今の時代御社のようなシステムを使わせて頂くとか、外部のパートナーさんに専門的なお仕事をお願いしていけば、小さい組織でも100人10000人の方と一緒に仕事をしていくことができますよね。
自分たちは小さく、世の中との接点は広く大きくというのが、中小企業が大きな成長をする一つの方向なのかなと思います。

インタビューにご協力頂きありがとうございました!今後ともBOSSをよろしくお願いします!

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